ラグビー日本代表が伝えた「誇り」と「感謝」の心

80分間桜のエンブレムを胸に身を挺し続けたものたちへの贈物と言えるだろう。

 この試合も台風19号の犠牲になられた方々へ黙祷が捧げられ、両国国歌斉唱後、19時15分を少し回ったところで南アフリカのキックオフで始まった。日本はファーストコンタクトでポイントを作り、直後に松島幸太朗へのキックパスで右へ展開。相手の強いフィジカルと鋭い出足をかわす意図だろう。プール戦では強敵アイルランドとスコットランドには、パスで繋いでボールの保持率を高めて相手を崩す戦い方をして、サモアとロシアにはキックを使ってゲームを組み立ててきた。プール戦よりシビアな戦い方が要求される決勝トーナメントだけに、日本もプール戦では見せなかったオプションを準備してきたはずだ。キックオフ直後のキックパスもそのひとつだろう。

 だが、開始から3分。この試合を象徴するようなトライが生まれた。日本陣内22mライン付近のスクラムを押し込まれ、ショートサイドから一気に相手の11番、左ウイングにディフェンスをかわされゴールラインに飛び込まれたのである。ほんの一瞬の「間」であり、出来事だった。攻める側にはスクラムを押すことの重要性を示し、押される側にはディフェンス面でのマイナスの影響を物語っている。プレー自体がシンプルゆえに力の差を見せつけられた思いがした。トライ後のコンバージョンは不成功で「0-5」。

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