”終戦”にはならない米中貿易部分合意

”終戦”にはならない米中貿易部分合意

panemoj/iStock / Getty Images Plus

10月11日、世界第1と第2の経済大国である米中両国は、18カ月の貿易戦争の中で初めて「第一段階」の合意に至った。

 これによると、中国は、今後2年間で、米国から農産物を、年間400億〜500億ドル(約4兆3300億〜5兆4100億円)相当輸入することになった。米中貿易戦争で出荷が落ちていた農家が、今後上向くことになる。また、この合意には、米国の知的財産権を中国が保護する措置を取ることや、米国の金融サービスへの市場開放も含まれると言う。

 米中の貿易戦争が休戦したことは、両国にとっても世界経済にとっても良い材料である。経済に実害を与えていることを考えれば、長期交渉にならざるを得ないグランド・ディールよりも、早期に部分合意を図るとのアプローチは、より良いものである。株式市場も合意を歓迎し、上昇した。しかし、すぐに勢いを失った。余り大した内容ではないと見たのかもしれない。農産品の大量買い付けで市場アクセスだけは拡大したかもしれないが、構造問題にどれほど踏み込めたかどうかわからないからである。

 10月11日の合意が、実際に米中の最終合意になるかどうかも疑われている。昨年12月アルゼンチンでのG20首脳会議の際、米中両国は、首脳会談で貿易戦争の休戦に合意し、トランプは米中交渉のブレイクスルーを発表したが、その後、最終合意には至らなかった前例がある。

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