日本で地獄の日々を送った高学歴ブータン人青年

9月12日、ブータン人留学生のダワ君が成田空港から母国へと旅立っていった。ルームメイトのタンディン君が日本語学校によって強制送還されて約2カ月後のことだ。タンディン君と同様、彼も留学生のアルバイトとして認められる「週28時間以内」を超えて働いていたため、留学ビザの更新が不許可となった。

 「日本の生活には疲れました。もう二度と戻ってくることはないと思います」

 帰国前日に会ったダワ君は、生気のない表情でそう語っていた。日本での2年間で体重は約10キロも減り、45キロほどになってしまった。精神的にも追い込まれ、最近では鬱の症状にも悩まされていたという。

 政府が進める「留学生30万人計画」のもと、日本語学校や専門学校、大学、さらには人手不足の企業なども加担した「留学生ビジネス」が展開している。その典型的な犠牲者の1人がダワ君だ。彼の留学体験とは、いったいどんなものだったのかーー。

 ダワ君は、ブータン政府が2017年から翌18年にかけて進めた日本への留学制度「学び・稼ぐプログラム」(The Learn and Earn Program)で来日した。同プラグラムは今、現地でスキャンダルの的になっている。若者たちを騙して日本へと送り込んだ疑いで、留学斡旋業者や政府高官に司直の捜査が及んでいるのだ。

■大学卒業後に希望した教師の仕事に就けなかった

 同プログラムは、若者の失業対策として導入された。

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