EU拡大拒否というマクロンの大きな過ち

EU拡大拒否というマクロンの大きな過ち

(GlobalP/jurisam/ Getty Images Plus)

アルバニアと北マケドニアのEU加盟が頓挫しつつある。10月17、18日に開催されたEU首脳会議は、マクロン大統領の反対によってアルバニアと北マケドニアとのEU加盟交渉の開始を拒否することになった。首脳会議の結論文書には「2020年5月のザグレブにおけるEU・西バルカン首脳会議の前に拡大の問題を再度取り上げる」と書かれているだけである。去る6月にEUは決定を持ち越していたが、再度先送りした。先送りというよりも、拒絶である。2020年5月までに情勢が変化する見通しにはない。

 アルバニアには北マケドニアと比較すると、政治の安定度、腐敗、組織犯罪、法の支配において問題が多いようである。加うるに、北マケドニアは国名の変更を決断してギリシャとの関係を正常化し、EUとの加盟交渉の大きな障害を解消したという実績がある。従って、アルバニアとの加盟交渉に反対したデンマークとオランダも北マケドニアとの加盟交渉は容認する立場であったが、フランスは北マケドニアとの加盟交渉にも唯一反対した。

 マクロンは批判に晒されている。すなわち、両国に対する裏切りであり、歴史的間違いだというものである。

 マクロンの反対の論拠は、第一に、拡大の前にEU自体の改革が必要だというものである。EUは意思決定方式の合理化、ユーロ圏の強化など、やるべきことは多い。EUの強化のための改革が必要との議論は正論であろうが、それが両国との加盟交渉を認め得ない理由だというのは「ためにする議論」としか思えない。

1 2 3 次へ

関連記事(外部サイト)