台湾総統選、世論分断に中国が出した”アメ”の中身

台湾総統選、世論分断に中国が出した”アメ”の中身

(brozova/Robert Daly/iStock / Getty Images Plus)

11月4日、中国政府は、26項目からなる台湾優遇政策を発表した。それによれば、台湾企業、台湾の個人に、中国人に対するのと同様の待遇を与えるとのことである。中国政府の台湾問題担当機関である国務院台湾事務弁公室は、「台湾同胞を平等に扱うという習近平の約束を示す」措置である、と言っている。

 中国共産党にとって、「台湾統一」は依然として彼らの言う「核心的利益」の最右翼に位置している。そのため従来とも中国は台湾に対しては硬軟両様の措置を打ち出して、台湾に揺さぶりをかけてきた。今回出された26項目の優遇策なるものを見ると、約一年半前(2018年2月)に出された31項目の優遇策に近い項目も見られる。

 これに対し、台湾政府の報道官は、中国が来年1月の台湾総統選挙において、台湾の対中世論を分断し、蔡英文政権にとって不利に働くようにすることが今回の優遇策の主たる目的であると非難するコメントを出している。これまでの中国の対台湾政策を見れば、このような台湾当局の見方は極めて常識的なものということが出来よう。

 中国の対台湾強硬策の常套手段としては、台湾の国際的孤立化を謀るため、台湾との国交断絶を促進したり(キリバス、ソロモン諸島は最近の例)、国際機関から締め出したり、台湾海峡周辺に軍用機や艦船を周回・遊弋させて、台湾を威嚇することなどがある。

1 2 3 次へ

関連記事(外部サイト)