衛星画像による収穫適期の判断が常識となる時代がくる

しかし、壁にぶつかる。衛星が上空に回ってくる回帰の周期は1週間に1度で、このタイミングで雲がかかっていると、撮影ができない。翌週に再度挑戦したのにまた曇りで、そうこうしているうちに撮影のタイミングを逃してしまうことがあった。農業の場合、農作物の生育に合わせて撮影すべき時期が限られ、週に一度では適期に情報が取りにくかった。

 加えて、衛星は農業以外に軍事用途などさまざまな目的のサービスを提供していた。農業のためだけに、何度も農地の上を飛んで撮影していては、ほかのサービスを圧迫するという話になり、実用化しなかった。

 「ただ、問題はたくさん衛星が上がってくれば解決する。それに4メートルの解像度とまではいかなくても、農家に使える情報は提供できる。こう考えて20年前から社内で研究チームを作って、今まで来ている」(星山さん)

 7月半ばに衛星から農地を撮影し、植生の分布や活性度を示すNDVI解析をし、生育具合を地図上に分かりやすく色分けする。農家はこれを基に最適な順番で収穫できる。穂の水分量の少ない収穫に適した小麦から収穫するので、収穫後の乾燥にかかる費用を節減可能だ。効率の良い刈り取りルートの設計は、人件費の節減にもつながる。小麦は刈り取りが遅れて雨に当たると、穂に実ったままの状態で発芽する場合があるけれども、適期に刈り取りすればこの穂発芽が避けられる。

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