いまだ都市拡大?規制に舵切る自治体と、変われない自治体

いまだ都市拡大?規制に舵切る自治体と、変われない自治体

イラスト:マグマ・ジャイマンツ

「新築信仰」という言葉があるように、日本人の多くが「新築」の持ち家を購入してきた。しかし、それは日本人の「好み」ではなく、国の政策や商慣行、そして自治体の都市計画もまた、住宅市場に大きく影響する。

 消費者の持ち家信仰と人口を増やしたいという自治体の思惑が一致して、郊外へと町を広げてきた。人口が減少局面に入ったことで、そのインフラを維持することが困難になると予想されている。そこで、町を集約すべく「コンパクトシティ」を打ち出す自治体が多い。

 都市計画区域内において開発が抑制される「市街化調整区域」の厳格運用に舵を切り始めたのが和歌山市だ。17年4月から、小学校など公共施設付近を除いて、原則開発を制限することを決めた。それまでは、市外への人口流出が顕著だったため、農地から宅地への転用緩和を続けてきた。「住居が郊外までバラバラと建ち続ける状況だった。町をコンパクトにすると言いながら、ずっと郊外の開発を許してきた。行政は一貫せねばならないのでは、という思いから厳格運用を決めた」と市の担当者は語る。

 一度緩めたベルトを締めなおすのは大変だった」うえに、反対の声も相次いだ。宅地業者からは「安い値段で開発できるのだからやめてほしい」、住民からは「土地利用の自由度を下げることは困る」などの声があがった。担当者は和歌山市だけでなく、社会全体の人口減少の構造から丁寧に説明することを心がけて説得したという。

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