続く米中覇権争い 国家には「制御不能」な先端技術のゆくえ

続く米中覇権争い 国家には「制御不能」な先端技術のゆくえ

アリババは9月、オープンソース技術で開発したAIチップを発表した
(VCG/GETTYIMAGES)

米中貿易摩擦に終わりは見えない。産業補助金を通じた競争歪曲(わいきょく)的な政策、安全保障のための輸出管理、データと国家の監視など、摩擦が起きるさまざまな分野の背景にあるのは、米中の技術覇権争いである。この中心にあるのが、半導体産業だ。

 通信と半導体の技術進歩は生活と経済を大きく変化させてきた。例えば、テキストメッセージでのやりとり、画像・動画の閲覧、そしてモバイルペイメントの普及によるシェアリングサービスの広がりなど、あらゆるシーンの利便性を上げている。半導体の能力を向上できる者が、イノベーションの方向性を支配できる。

 米中貿易摩擦における米国の本音は、中国がイノベーションの主導権を握るのを抑止する意図があるのだろう。

■米国通信委員会の新たな調達規制

 現在、米国はファーウェイを筆頭に中国企業への制裁を強めている。米商務省は米国輸出管理規則(EAR)において、ファーウェイを米国の安全保障・外交政策上の利益に反する組織としてエンティティーリストに加えた。その影響で、米グーグルはファーウェイとの取引ができなくなり、2019年9月にドイツで発売したスマホ「Mate30」は、グーグルモバイルサービスがインストールできず「Gメール」や地図アプリ「グーグルマップ」が使えない。

 また報道によれば、米国通信委員会は同年11月、国内の農村部の通信網敷設に支援基金を利用する場合、危険を及ぼしうる企業からの製品の調達を禁じる規制案を発表した。

1 2 次へ

関連記事(外部サイト)