国内外で左派右派対立が深まるラテンアメリカ

国内外で左派右派対立が深まるラテンアメリカ

(romeocane1/iStock / Getty Images Plus)

このところ、ラテンアメリカ諸国で反政府デモが頻発している。エクアドル、チリ、コロンビアなどである。こうした反政府デモの頻発は何を意味するのであろうか。ボリビアのモラレス前大統領(社会主義者)の失脚、ウルグアイでの中道左派から右派への政権交代に鑑みれば、2015年以来右に大きく触れた振り子が左に戻っているということでもない。

 最近のメキシコ、ブラジル、エルサルバドル、アルゼンチン、ボリビア、ウルグアイの大統領選挙に共通することは、現職あるいはその後継候補の敗退である。その原因は、貧富の格差や汚職、治安悪化等に対し現政権の取り組みが成果を上げておらず、国民の不満が政権側に向けられた結果である。

 さらにその背景には、ラテンアメリカ諸国の構造的な経済的停滞と、最近における中国経済の減速による一次産品価格の低下、通貨安といった問題がある。

 チリやコロンビアの抗議活動は、計画性がなく明確な指導者もいない自然発生的なもので、フランスの黄色いベスト運動を連想させ、SNSの役割なども影響していると思われる。

 ラテンアメリカ諸国での街頭デモ等の背景や原因は、国ごとに異なるが、共通しているのは、政権側が大衆の要求に妥協する傾向があるという点である。しかし、ポピュリスト的政策により国民の不満をそらすことはできても、根本的な解決にはならないであろう。

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