モノからコトへ、イタリアの逸品にほれ込んだ日本人の挑戦

モノからコトへ、イタリアの逸品にほれ込んだ日本人の挑戦

抜けるような青空のもとに広がるブドウ畑(写真・筆者、以下同)

イタリア北西部のピエモンテ州。バローロやバルバレスコといったイタリアを代表するワインの銘醸地である。緩やかな大地のうねりを覆うようにブドウ畑が広がり、レンガ色の古城や教会、農家が点在する景観は、世界遺産にも指定されている。

 そんなピエモンテで、ひとりの日本人がブドウ畑を買い、ワインづくりに乗り出した。佐々木ヒロト(裕人)さん。イタリアに惚れ込み、住み始めて22年になる。ワインを中心にイタリアのこだわりの逸品を、日本に紹介する「アニマ」という会社を興し、イタリアと日本の橋渡し役を務めてきた。

 根っからのワイン好き。いつの日か自分自身でワインを造りたいと思い描いてきた。その夢がついに現実になろうとしている。

 3500平方メートルのぶどう畑が付いた農家を手に入れたのは2017年末のこと。丘の上にある古い農家の建物を全面改装しながら、斜面に広がる畑のブドウの世話をする。除草剤は使わず、化学肥料も与えない自然栽培。病気予防も伝統的な自然由来の薬剤を使うだけ。雑草を刈り取る作業は重労働だ。ワインにして2000本分ぐらいのブドウが収穫できる。

 昨秋、実験的に栽培・収穫したブドウは、醸造容器に入れ、友人の蔵で寝かせている。栽培するブドウの品種は主としてモスカート。一般的な甘みを残す醸造法ではなく、ドライな仕上がりを目指す。

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