イラン司令官殺害で一変 2020年の世界経済が抱えるリスク

イラン司令官殺害で一変 2020年の世界経済が抱えるリスク

4日、米軍によるイランへの攻撃に対し抗議する人々(カナダ・トロント。PHOTO BY GETTYIMAGES)

2020年代の幕開けとなる正月、メディアの新年企画を吹き飛ばす事件が相次いだ。カルロス・ゴーン被告のレバノン逃亡劇はそのひとつ。そんなニュースを吹き飛ばしたのが、米軍によるイラン革命防衛隊司令官の殺害である。

 新年早々に最高値を更新した米国の株式市場は、さっそく視界不良の状況に突入した。ひょっとすると米国とイランは戦闘に突入するかもしれない。アジアに目を転じれば、北朝鮮の非核化をめぐる米朝のつばぜり合いが厳しさを増している。台湾総統選を機に、中国は台湾への圧力を一段と高めかねない。

 ニューヨーク・ダウの3万ドル乗せと、ナスダックの1万突破はどちらが早いか。いい湯加減を楽しんできたマーケットと剣呑(けんのん)な国際政治は、平仄(ひょうそく)が合わない。まず株式市場の方から点検しよう。19年末にかけて米国をはじめ世界の株式市場を強気に転換させたのは、貿易協議での米中の手打ちである。

 1月15日、ホワイトハウスで自ら署名する。中国からはハイレベルの代表団がやって来る。19年12月31日、トランプ米大統領はこう大見えを切った。ホワイトハウスという米政治の晴れ舞台に、中国側を呼び寄せた。いかにもトランプ劇場らしく、舞台設定は上々である。

 株式市場はある意味で単純である。トランプ大統領が習近平国家主席をねじ伏せたとみて、大はしゃぎとなった。

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