民進党に「塩を送った」習近平の失敗、台湾総統選でさらに虚構化する中国の台湾政策

民進党に「塩を送った」習近平の失敗、台湾総統選でさらに虚構化する中国の台湾政策

再選を喜ぶ蔡英文陣営(ZUMA Press/AFLO)

中国の台湾政策において、大きな挫折だと言っていい。

 1月11日の台湾総統選で、蔡英文総統は817万票を集め、再選を果たした。立法委員選でも、民進党は過半数を上回る61議席を獲得。2018年の統一地方選挙で大敗を喫した民進党は大逆転といえる立ち直りを見せ、中国から軍事、経済、外交で圧力を受け続けたなかでの勝利となった。中国が隠に陽にサポートしていた国民党は、公認候補となった韓國瑜・高雄市長が統一地方選挙で起こした「韓流ブーム」の再現はならず、目指していた4年ぶりの政権復帰の夢は、泡と消えた。

 印象的だったのが中国側のコメントであった。1月11日の深夜、国務院台湾事務弁公室は談話を発表した。そのとき、私は台湾のテレビ討論番組に出演していた。司会者がすぐに内容を読み上げた。

 「我々の台湾に対する大方針は明確で、一貫している。『平和的統一、一国二制度』の基本方針を堅持し、一つの中国原則を堅持し、国家主権と領土完全を堅く守り抜き、いかなる形式での『台湾独立』分裂行為の策謀と道筋に堅く反対し、台湾同胞の利益と福祉を堅く増進する」

 スタジオに失笑が広がった。「何も言っていないに等しい」と誰かが言って、全員がうなずき、そして議論はまた台湾の選挙に戻って行った。本当ならそこから中国の台湾政策に関する議論に広がっていってもおかしくない。

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