トランプがイラン司令官殺害で得たものとは?

演説の入り方と終わり方の声のトーンも、全く異なっています。ハードとソフトのトーンを使い分けていました。

 この硬軟織り交ぜたやり方は、北朝鮮に対するアプローチと類似しています。

■2人は「選挙材料」

 まず、トランプ大統領はイランによるイラクの米軍駐留基地を狙ったミサイル攻撃について、「死傷者は出なかった」と強調しました。トランプ政権は適切に対処できたというメッセージを、米国民に発信する意図があったことは確かです。

 次にトランプ氏はソレイマニ司令官を「世界一のテロリスト」と呼び、司令官を殺害した成果に訴えました。そのうえで、「彼(ソレイマニ氏)はもっと前に除去されるべき人物だった」と主張しました。1月6日に放送された保守派の代表的ラジオパーソナリティの1人であるラッシュ・リンボー氏の番組においても、同様の発言を行っています。

 ブッシュ・オバマ両政権はソレイマニ司令官殺害は、リスクが高いと判断し、司令官の殺害を見送ってきたといわれています。しかし、トランプ大統領は司令官殺害を実行に移しました。

 「自分はブッシュ・オバマ両政権がやり残した仕事を遂行した」と、言いたかったのでしょう。周知の通り、トランプ大統領は特にオバマ前大統領を意識しています。

 加えて、トランプ大統領が演説の中でイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の指導者アブバクル・バグダディ容疑者殺害について言及した理由は、「2人の怪物を葬った」というメッセージを発信して、政治的得点を稼ごうとしたからです。

 トランプ大統領はトレドでの集会で、殺害したソレイマニ司令官とバグダディ容疑者をセットにして、成果をアピールしました。すでに、2人はトランプ再選のための「選挙材料」として利用されています。

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