東アジア緊迫化へと進める北朝鮮ミサイル実験

東アジア緊迫化へと進める北朝鮮ミサイル実験

Jae Young Ju/iStock / Getty Images Plus

北朝鮮は、2019年12月8日と14日にミサイルエンジンの実験を行った。二回目の実験は、北朝鮮北東部の東倉里(トンチャンリ)の発射場で行われた。東倉里は、2017年3月に北朝鮮がICBM(大陸間弾道ミサイル)用のエンジンの実験を行った場所であり、2018年6月のシンガポールでの米朝首脳会談で、トランプ大統領が、金正恩委員長が非核化の第一歩として解体すると約束したと述べた施設であるので、重要である。

 12月の実験は、北朝鮮が米国との交渉が進まないことへのいらだちを示すものと見られるが、米国を交渉に引き出すための揺さぶりの段階を超えたもので、北朝鮮がミサイル能力の向上に真剣に取り組んでいることを示したものと見てよいだろう。

 金正恩は一方的に2019年12月31日を交渉期限として設定し、それまでに米国が制裁の緩和を含む一層の譲歩を持って交渉のテーブルに戻らないかぎり兵器の実験を再開すると述べてきた。米国は交渉を再開すべく、ビーガン特別代表が交渉の再開を模索したが、北朝鮮側と接触できなかったようである。

 そもそもの原因は、非核化についての米国と北朝鮮の基本的立場の違いにある。米国は、当初、北朝鮮から完全で検証可能で、不可逆的な非核化を求めようとした。これに対して、北朝鮮は、朝鮮半島の非核化と制裁解除を主張した。2018年シンガポールでの米朝首脳会談では、トランプ大統領は米国の非核化の基本を明確に主張せず、非核化についての米朝間の思惑の違いを残したままとなり、それが引きずられた形になっている。

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