緊迫続く中東、予断許さぬ国際石油市場の行方

緊迫続く中東、予断許さぬ国際石油市場の行方

(Terminator3D/gettyimages)

米国・イランの全面衝突は回避する動きとなり、原油価格も落ち着きを取り戻した。しかし、両国の激しい対立構造は全く不変のまま残存しており、今後の中東情勢や原油価格の動きに予断は全く許されない。

 2020年の幕開けは、米国とイランの軍事衝突リスクの高まりで、大揺れ・波乱のスタートとなった。全面衝突や戦争リスクの懸念が高まり、世界経済への影響や石油供給途絶、原油価格高騰のリスクに世界が身構えることとなった。

 きっかけは1月3日の米国によるイラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官のイラク国内における殺害であった。米国は、米国人へのテロの差し迫ったリスクを取り除くために決行した軍事作戦であると主張したが、国民的英雄である同司令官を殺害されたイランでは、指導者から国民一般に至るまで米国を激しく非難し、米国への報復が声高に叫ばれた。一方、米国は、仮に報復が実施されれば強力に対抗する、と強く牽制し、報復の応酬とエスカレーションによる全面衝突発生の可能性が高まった。戦争リスク懸念がこれまで以上に高まり、中東情勢は一気に緊迫の度合いを高めたのである。

 1月8日、イランはイラク国内の米軍基地2か所を弾道ミサイルで攻撃した。この「報復」に、米国がどう反応するかを世界は固唾を飲んで見守った。その決断が注目される中、トランプ大統領は、米国人の死傷者は無かったこととして、軍事力ではなく、新たな経済制裁強化で対抗する方針を打ち出し、全面衝突・戦争は、とりあえず回避される形となった。

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