レーザーレーサーから10年、進む「動きやすい」競泳水着開発

レーザーレーサーから10年、進む「動きやすい」競泳水着開発

デサントは1パーツで水着を作ることにより、動きやすさと軽量化を実現した(同社提供)

水の中に飛び込んでしまえば、腕を掻(か)き、足を蹴り、誰よりも速くゴールを目指す。己の鍛え上げられた肉体が大きく頼りとなるスポーツ競技の一つが競泳だ。だが、それは2008年の北京五輪前までの話で、メダルの行方がわずか200グラム足らずの水着によって左右されると認識を改めさせられた。

 注目を集めた水着とは英国のメーカーが開発した「レーザーレーサー」だ。縫い目がなく撥水(はっすい)性に優れ、締め付けが強くて筋肉の凹凸を減らして水の抵抗を抑え……。NASAの研究者まで絡んで開発された競泳水着だった。北京ではこれを着用した選手により23個の世界記録が更新された。

 国際水泳連盟(FINA)が09年にルールを設け、ポリウレタンやラバーなど空気を通さない素材を貼り合わせた水着の着用を禁止し、「レーザーレーサー」も国際舞台から消えた。これらの水着はウェットスーツみたいなもので、水着自体にある浮力が速さを生み出していたのだ。FINAは、競泳はあくまでも選手の能力で記録を出すことが一番の目的で、道具でタイムを出すことはよしとしなかった。とはいえ、100分の1秒が勝負を分ける水着の力が再認識されたわけだ。

 デサントはFINAのルールをクリアしたアクアフォースという薄い布に賭けた。日本のエース瀬戸大也選手はこれで東京五輪の金メダルに挑む。

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