EV覇権を狙う「中独連合」、「最初の果実」を狙うVW

EV覇権を狙う「中独連合」、「最初の果実」を狙うVW

フォルクスワーゲン・ツヴィッカウ工場のEV 量産開始を祝うイベントには、メルケル首相も訪れた(写真・YUMI KAWABATA)

11月初頭。鈍色の空の下、ドイツ・ミュンヘン空港に降り立った。まずは高速鉄道「ICE」に乗って、かのゲーテが青春時代を過ごしたライプツィヒまでたどり着いた。そこからさらにポーランド国境に向かって車で1時間半ほど走り、独フォルクスワーゲン(VW)のツヴィッカウ工場を訪れた。その目的は、ドイツ自動車業界の「大転換」の瞬間に立ち会うためだ。

■メルケル首相が語った自動車産業変革への危機感

 「自動車産業はかつてないパラダイムシフトに直面しています」

 ツヴィッカウ工場にあらわれたドイツのアンゲラ・メルケル首相はそう力強く語った。VWは、ツヴィッカウ工場の生産ラインを、内燃機関を使った自動車から年産33万台の電気自動車(EV)の生産拠点へと転換を図ろうとしており、筆者が訪れたのはVWの新型EV「ID.3」の同工場における量産開始を祝うイベントだった。

 しかも、同社がEVの生産ラインに転換するのは、ツヴィッカウ工場だけではない。ドイツ国内の4工場に加えて、チェコ、米国、中国の安亭鎮(上海汽車集団との合弁)と仏山(第一汽車集団との合弁)の合計8工場をEVの生産ラインに作り替える方針だ。

 同社はこれと併せて、20年から24年の5年間でEVをはじめとする次世代技術の開発に600億ユーロ(約7兆2000億円)を投資し、そのうち330億ユーロは電動化技術に投資する。

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