炭水化物をむやみに制限すべきでない理由

炭水化物をむやみに制限すべきでない理由

むやみな炭水化物制限に警鐘

炭水化物をむやみに制限すべきでない理由

(bit245 / iStock / Getty Images Plus)

■評価が大逆転した栄養素:食物繊維

栄養学は豹変する……これは私が尊敬する栄養学者の言葉。たしかに栄養学は、数学や哲学や天文学などに比べれば、はるかに歴史の浅い学問だ。近代栄養学は大きな世界大戦(第一次世界大戦、第二次世界大戦)で飛躍的に進歩したのだから、まだ百年チョットの歴史しかない。その割には、人々の生活に大きな影響を与えるので、とりわけ、このところ急速に進歩している。

そのため、少し前までは「悪玉」といわれていた物が急に「善玉」になったり、その逆だったりと、その評価が大きく変わることも少なくない。食物繊維もその1つだろう。

そもそも食物繊維は「繊維状のいかにもスジスジした成分」のことではない。食物繊維の定義は「ヒトの消化酵素では消化されにくい、食物に含まれている難消化性成分の総称」である。簡単にいうと「口から食べても消化・吸収されずに便として肛門から出て行く成分」となろうか。

「体内に吸収されないのだから、栄養的には何の役にも立っていないはずなので、そもそも栄養素とはいえない」と、50年ほど前までは考えられていた。しかし1971年、イギリスのバーキット博士が、アフリカの調査で「食物繊維(ダイエタリー・ファイバー)の摂取量が多い(つまり大便の量が多い)人では大腸ガンになる人が少ない」ことを発表。

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