核開発での揺さぶりが続く米イラン

核開発での揺さぶりが続く米イラン

AlessandroPhoto/iStock / Getty Images Plus

2020年1月3日、トランプ大統領から許可を得た米軍は、イラクの首都バクダッドにいたイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害した。それへの報復措置として、1月7日、イランは、イラクにある米軍基地にミサイル攻撃した。ミサイルは10発以上、米軍基地に着弾したが、幸い、米軍兵士らは事前に避難をしていて死傷者は出なかった。ある種、計算された米国とイランとの対立とも言え、トランプ大統領は米軍に死者が出なかったことを「勝利」と言い、ポンペオ国務長官は、ソレイマニ殺害後「米国はより安全になった。」と述べた。が、たとえ米国もイランも全面戦争を行なう気はなくても、両国間に、様々な形態の報復の応酬が行われる危険は高まったと言えよう。

 その報復の手段の一つが、イランの核開発問題である。ソレイマニ殺害後、イランは、「2015年の核合意」による核開発の制限は無くなったと述べた。そもそも、イラン核合意は、イランの核武装を阻止することを念頭に結ばれたものであった。イランの核武装に通じるウランの濃縮活動に厳しい制限を加え、その代わりに対イラン経済制裁を解除するというバランスの上に結ばれたものであった。

 それが、2018年5月のトランプ政権の核合意からの撤退でバランスが崩れ、欧州も米国の圧力でイランに経済的利益を与えることができなかったところへ、今回のソレイマニ殺害で、イランは自らに課された核開発の制限は破棄するとの声明を発表するに至った。

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