1年で見えた「ブラジルのトランプ」の実態

1年で見えた「ブラジルのトランプ」の実態

andriano_cz/iStock / Getty Images Plus

1年前、「ブラジルのトランプ」とも呼ばれたジャイール・ボルソナーロが同国大統領に就任した。ボルソナーロは、そのポピュリスト的で粗野な言動から大いに警戒されたが、政治的に様々な問題を抱える中南米地域の中では、この1年に限ればブラジルは比較的安定していた。また、長年の懸案であった年金改革法案が成立したこともあり、2020年には2%の経済成長が見込まれる。これに対し、エコノミスト誌1月2日号の記事‘A Year of Jair Bolsonaro’は、「ボルソナーロ大統領就任後1年を経てブラジル経済は上向きとなり年金改革法案も成立したが、それはゲデス経済相の手腕によるもので、ボルソナーロのネガティブな要素は一向に改善されておらず、このままブラジルがボルソナーロの下で発展して行くとしても失うものも大きいであろう」と警告している。ただ、この記事の見方は少し一面的なようにも思われる。

 確かに、ブラジルが必要としている経済構造改革には、更に、税制の簡素化や規制緩和、歳出削減や行政機関のスリム化、国営企業民営化、市場の開放などがあるが、いずれもそう簡単ではなく、様々な抵抗勢力もあり難航が予想されている。

 他方、ボルソナーロの舌禍癖も全く改善されておらず、アマゾン熱帯雨林破壊問題もあり、フランス、アイルランド、オーストリアは、メルコスールとのFTAの批准に反対を唱えるといった実害も生じている。

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