講談師・神田松之丞の新たな挑戦。2月に真打昇進、6代目神田伯山襲名へ

講談師・神田松之丞の新たな挑戦。2月に真打昇進、6代目神田伯山襲名へ

講談師・神田松之丞の新たな挑戦。2月に真打昇進、6代目神田伯山襲名への画像

東京都心に近いキャパ600人の区民ホール。神田松之丞の独演会に集まった満員の客は、いかにも講談通に見える人から人気の松之丞を聴きに来たという感じの人までさまざま。年齢層も10代から高齢者まで幅広い。それぞれの真剣さがピーンと張りつめ、張扇(はりおうぎ)の小気味いい音が響くとホール全体が前のめりになったような……小声で私語を交わしたら、シッ! と注意された。

 講談界の救世主、100年に一度の逸材、チケットの取れない講談師。数年前から火がついた松之丞人気、ブームは今や燃え盛っている。一時は東西の講談師の数が24人にまで激減し絶滅危惧職とも言われていたのに、今や1000人のホールも満杯で入門志願者も押し寄せる。まさに現代の奇跡といってもいい状況を生んでいるのである。

 「そういう誇大広告のようなことをメディアは言うけど、本当はどうなんでしょうね。ただ、私以外の先生方がすごいのでそっちを聴いてほしくて、徐々にそうなりつつありますね。大先輩の神田愛山(あいざん)先生が、昔は開場時間になっても誰もいなかったが今は長蛇の列、こんな時代がくるとは思わなかったとおっしゃってくれて。講談界のために頑張ってるよねと思ってもらえたらうれしい。僕はひたすらいろいろな媒体で名刺を配っているスポークスマンみたいなもの。野暮に大きな声出すのがずっといなかったので、その野暮な役を引き受けている」

 強力な突破力で突き進んだ結果、いつの間にかメディアが松之丞を求め、テレビやラジオではレギュラーの冠番組が生まれ、取材の申し込みは引きも切らないが、年間650席もの高座もしっかり務める。

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