日本に見切りをつけ、ベトナムで起業

日本に見切りをつけ、ベトナムで起業

ハノイ市内のカフェ(vinhdav/gettyimages)

2019年4月、ベトナム人のファット君(25歳)は、2年近くに及んだ日本での留学生活を切り上げ母国へ帰国した。「留学」といっても、彼の目的は日本での出稼ぎだった。しかし、アルバイトで稼いだ金は日本語学校への学費の支払いに消え、留学時に背負った借金すら返し終えることができなかった。

 帰国後、彼は「実習生」や「留学生」として日本へ出稼ぎ労働者を送り出しているハノイの斡旋業者に就職した。日本帰りのベトナム人が、斡旋業者で働くことはよくある。カタコトの日本語しかできなくても、日本語教師として雇ってもらえるからだ。元実習生や元留学生が日本とのコネクションを活かし、業者の経営に乗り出すケースも少なくない。

 日本への出稼ぎ斡旋は、極めて儲けが大きいビジネスだ。たとえば、実習生の送り出しに関し、ベトナム政府は業者が希望者から徴収する手数料の上限を1人当たり「3600ドル」(約39万円)と定めてはいる。しかし、実際には全く守られていない。地域によっても差があるが、ファット君によれば、ハノイの業者で「75万円から90万円くらい」が現在の相場だという。

 「それでも3〜4年前と比べて少し安くなりました。以前は100万円以上の手数料を取る業者も多かったですから」

 現在、日本には19万人近いベトナム人が実習生として来日している。

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