ボルトンなしでは納得できないトランプ弾劾裁判

例えば、1999年のビル・クリントン元大統領の弾劾裁判では、9万頁にわたる文書や3人の証人よる証言が検討されています。シフ委員長の狙いは、今回の弾劾裁判を普通の裁判ではなく、「反民主主義的な裁判」として描くことです。

■20年米大統領選挙への影響

 共和党上院のトップであるミッチ・マコネル院内総務は、証人尋問なしで早期に結審することを強く望んでいます。その理由が非常に興味深いのです。マコネル院内総務は、「今のままなら無罪判決を出せるが、証人が証言すると何が起きるのか分からない」と語りました。つまり、マコネル氏は証人の一言により、審理が予期せぬ方向へ向かい、コントロールできなくなるのを恐れているのです。

 弾劾裁判の今後の焦点は、ジョン・ボルトン元大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の証人尋問が実現するか否かです。ボルトン氏はウクライナに対する軍事支援保留及びジョー・バイデン前副大統領と息子のハンター氏の調査に関して19年7月10日、ゴードン・ソンドランド欧州連合(EU)大使の口から直接説明を受けています。民主党は原理原則を曲げないで、歯に衣着せぬ物言いをするボルトン氏が、ゲームチェンジャー(試合の流れを一気に変える人)となり、新証言と証拠が飛び出すことを期待しています。

 米クイニピアック大学(東部コネチカット州)が行った世論調査(20年1月8−12日実施)によれば、「ジョン・ボルトン元大統領補佐官が上院弾劾裁判で証言するのを望みますか」という質問に対して、66%が「望む」と回答しました。

 ただ、ボルトン氏の証人喚問が実現しなくても、民主党は大統領選挙においてトランプ大統領に対する攻撃材料を得ることができます。「トランプは証人のいな弾劾裁判で無罪になった。裁判は不公平であった」と主張できるからです。

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