ノーベル賞梶田教授 弓道で磨いた不断の努力を続ける心

ノーベル賞梶田教授  弓道で磨いた不断の努力を続ける心

梶田隆章さん

日本を代表する名門高校はイノベーションの最高のサンプルだ。伝統をバネにして絶えず再生を繰り返している。1世紀にも及ぶ蓄積された教えと学びのスキル、課外活動から生ずるエンパワーメント、校外にも構築される文化資本、なにより輩出する人材の豊富さ…。本物の名門はステータスに奢らず、それらすべてを肥やしに邁進を続ける。

 ノーベル物理学賞者で東京大学卓越教授、同宇宙線研究所長の梶田隆章さんは川越高校(以下、川高)では弓道部に所属した。ノーベル賞受賞時の報道によると、3年生になれば、大学受験に向けて部活を引退する部員が多い中、梶田さんは同級生の部長と2人、3年最後の試合まで部活をやり切ったとか。コツコツと努力を惜しまぬ人なのだ。

 「高1の時は体力がなく、家に帰って勉強しだしても、いつも途中で寝ていましたね。当時はひょろひょろで背が低く、体力勝負じゃダメだろうと思って始めた部活ですが、練習ではまず弓の練習をして、その日の最後に基礎トレーニングを1時間くらいやっていました。身長は高校で20cm伸びて、183cmになりました。部長は同級生で、今は母校で教えていて、部の顧問もしていますよ。彼とは同じ埼玉大に進学してからも、一緒に弓道部で活動しました。彼は高校時代本当に頑張っていました」

 埼大時代、1979年の関東学生が集う弓道大会で団体優勝したメンバーに選ばれているというのに、この謙遜ぶり。

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