連立政権発足も分断続くスペイン

社会労働党とポデモスとの波長が合っているとは言い難い。サンチェスとポデモスの党首イグレシアス(副首相になる)との関係には不安がある。従って、前途は多難である。多難ではあるが、この政権は案外長続きするのではないかとの観察もある。スペインの憲法の定めによれば、内閣の不信任が成立するためには後任首相が定数350の下院の絶対多数である176票を得て信任されることが必要とされているが、野党陣営がまとまって176票を確保することはサンチェスが167票を集めるよりも困難と見られるというのがその理由である。

 もう一つ連立政権にとって有利な材料があるとすれば、ERCにしろEH Bilduにしろ、地域政党にとって、地方自治の縮小・廃止あるいは中央集権化を目指す右派の諸政党は支持の対象にはなり得ず、選択を迫られればこの政権との連携を選ばざるを得ないだろうとの事情である。

 最大の難問はカタルーニャの問題である。サンチェスは国民党のカサードなど右派の諸政党が煽っている「有毒な雰囲気」を終息させる、と述べている。サンチェスがERCと合意した内容は、報道による限り、拘束力のある住民投票に至るような内容の合意ではなく、曖昧な内容のものであるらしい。合意がスペインの解体につながるというようなものではない。サンチェスに期待されることは、対話で緊張を緩和し分断を修復する方途を見出し、スペインの政治的平静を回復することである。

  
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