EUが打ち出すアフリカとの関係強化

EUが打ち出すアフリカとの関係強化

metamorworks/iStock / Getty Images Plus

フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長は、12月1日の委員長就任早々、12月7〜8 日、最初のEU(欧州連合)域外の訪問先としてエチオピアと、そこに本部を置くAU(アフリカ連合)を訪問した。すぐ目に見えるような成果があったわけではないが、この訪問の象徴的意味合いは大きい。フォン・デア・ライエン新委員長は、EUとして「アフリカ総合戦略」の作成が必要だと述べた。おそらくEU=アフリカ大陸間のFTA(自由貿易協定)を推進することが念頭にあるのだろう。

 欧州とアフリカの関係強化は、歓迎すべきことである。欧州による関係強化は、中国やロシアのアフリカ進出をバランスすることにもなる。日本も欧州の努力を支援すべきであり、日欧の経済援助協議等でアフリカ政策についても調整していくべきだろう。

 アフリカは、開発途上の経済や政治の安定、治安等、数々の課題を抱えている。が、同時に、アフリカは、大きな潜在的可能性を併せ持つ大陸である。豊富な資源の他、若い人口やその増加、経済発展に伴う市場拡大がある。その重要性は、地理的に近く歴史的にも繋がりの深い欧州にとっては殊更大きい。経済、貿易の他に、域内移動や欧州への移民等の人口移動の重要性は、プラス、マイナス双方の意味がある。我々日本人にはやや実感し難いことかもしれない。人口移動はテロなど安全保障の問題にも関わる。アフリカは、これからもグローバリゼーションによる大きな影響を受けるだろうが、そのグローバリゼーションからアフリカが大きな利益を得てきたこと、そして今後も得ることは否定できない。

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