中東和平を選挙に利用した2人、米イスラエル首脳の裏の思惑

中東和平を選挙に利用した2人、米イスラエル首脳の裏の思惑

レバノンの難民キャンプで、新和平案に抗議するパレスチナ人女性(AP/AFLO)

トランプ米大統領はホワイトハウスで1月28日、イスラエルとパレスチナの中東和平案を発表した。イスラエル占領の現状をほぼ固定化した内容で、圧倒的にイスラエル寄りの提案だ。パレスチナ側は直ちに拒否した。弾劾裁判中の大統領と汚職容疑で起訴されたイスラエルのネタニヤフ首相。背景には中東和平を選挙に利用し、窮地から脱しようとする2人の思惑が透けて見える。

■占領の現状を固定化

 この和平案は大統領の娘婿であるホワイトハウスのジャレッド・クシュナー上級顧問とグリーンブラット中東和平特使、フリードマン米駐イスラエル大使が中心となり、3年をかけてまとめた。

 発表された案によると、パレスチナ側は現在のヨルダン川西岸と東エルサレム地区に限定的な「国家」の創設を許されるが、その範囲はパレスチナ自治区の広さを定めたオスロ合意の約70%に縮小となる。一方で、ヨルダン川西岸や東エルサレム地区のユダヤ人入植地はイスラエルに組み入れられ、その主権が容認される形となった。

 イスラム、ユダヤ両教徒の聖地であるエルサレムについて、米提案はイスラエルの「永遠の首都」と認定、東エルサレムを将来の独立国家の首都とすることを主張してきたパレスチナ側の要求は無視された。その代わり、パレスチナ側には東エルサレムの外側の一部地域を「首都」として与えるとしている。

1 2 3 次へ

関連記事(外部サイト)