国賓・習近平が狙う訪日の「成果」

国賓・習近平が狙う訪日の「成果」

今春、習近平国家主席は国賓として訪日予定だ (POOL/REUTERS/AFLO)

「中国は一人当たりのGDPが1万ドルを超えただろう」。習近平国家主席は、新年の祝辞で、こう展望した。

 高度成長を経験して一人当たりGDPが1万ドルを超えた中所得国が、その後に辿(たど)る成長の軌跡は二つあるといわれる。一つは安定成長を維持する場合で、もう一つは成長率が低下し、長期に低迷する「中所得国の罠(わな)」に陥る場合である。

 中国の政治指導部にとって、この「中所得国の罠」に陥るのを回避することが最重要課題だ。なぜなら、経済成長 という実績が彼らの支配の正当性を支えているからである。中国の公式メディアは連日、失業対策、貧困対策、少子高齢化対策、地方経済活性化策、民営企業改革の成果を報じている。これらは「罠」を回避するための取り組みと理解してよい。

 対米関係の改善も、「罠」を回避するための取り組みの一環といってよい。既存の国際秩序において「大国」としての役割を担ってきた米国と、いかに安定した関係を構築するか。中国にとって、この問いは、経済成長を支える国際環境をいかに維持するのか、という問いと同意だ。

 その政治指導部が、今、対日外交を重要な課題と位置付けている。今春の習主席の国賓としての訪日成功に向けて、中国の対日外交政策にかかわるサークルは、全力を傾けて取り組んでいる。その決意は日本の中国研究者にも伝わっている。

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