米大統領選を念頭に置いた米欧首脳会談

米大統領選を念頭に置いた米欧首脳会談

jemastock/iStock / Getty Images Plus

1月21日、トランプ米大統領と欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、スイスのダボス会議に際して、初の首脳会談を行った。共同記者会見では、両者は個人的な接触、結びつきができたことの意義を強調した。トランプ氏はフォンデアライエン氏について、「高い尊敬を勝ち得ている女性」「タフな交渉者」などと持ち上げた。米EU間の最大の争点である貿易交渉について、トランプ氏は「EUとの取引は誰もが実現したいものだ」と述べた。フォンデアライエン氏は「米欧間の壊すことのできない社会的・経済的な絆」を強調しつつ「我々は、技術、エネルギー等に加え貿易の分野でも前向きな米EU間のアジェンダに取り組み得ると確信している」と言っている。

 しかし、首脳会談の直後、トランプは、EUが交渉に応じなければ輸入車に高い関税をかける可能性を示唆し、EUに譲歩を求める考えを強調した。ムニューシン財務長官は、米国のデジタル企業に課税する欧州の企業を罰するのに自動車関税を用いると更に脅しを重ねた。これまでも米欧間ではエアバスへの補助金をめぐる紛争などがあったが、今度の摩擦は貿易全般に及ぶものである。にもかかわらず、欧州側では、米欧間の貿易摩擦の問題について楽観的な空気が強いようである。

 トランプ政権は、以前からEUとの貿易交渉を要求してきたが、これは米国がEUに対し大幅な貿易赤字を抱えていて、トランプ政権がこの赤字を縮小したいと考えての上である。

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