イタリア制覇狙う元極右の「駄々っ子」サルビーニの敗北

イタリア制覇狙う元極右の「駄々っ子」サルビーニの敗北

首相の座を狙うマッテオ・サルビーニ氏(ロイター/アフロ)

まるで駄々っ子のよう。筆者がマッテオ・サルビーニという人物に抱いた最初の印象だ。サルビーニ氏は現在、イタリアで一番目立つ政治家であり、虎視眈々と首相の座を狙っている。北部を拠点とする右翼政党「同盟」の書記長で、昨年8月まで政権の一角で副首相兼内相を務めていた。

 なぜこのような人物が政治の中心に、と眉をひそめたくなるが、考えてみれば、彼のように何かと声が大きく罵詈雑言を吐く人こそが、イタリア人に最も好まれる政治家でもあるのだ。好かれると言っても、支持されるということではない。支持でも不支持でも、バルで日頃の話題になる存在ということだ。1994年から11年まで政権に出入りしたベルルスコーニ元首相はそんな目立ちたがり屋の典型だったが、まだしも茶目っ気があった。

 筆者がサルビーニ氏を駄々っ子と感じた理由は、発言の幼稚さだった。「ルーマニア人やアルバニア人、中国人が増え、ミラノは犯罪だらけだ」と主張したため、犯罪実数が減っている統計を示すと「本当?」と応じ、「でもとにかく、彼らは多過ぎる。ミラノの綺麗な通りが今はチャイナタウンみたいだ」と外国人嫌悪を露わにした。しまいには「子どもの教育のためにオーストラリアに移住したい」とこぼしたため、「そしたら、あなたも移民になりますね」と応じると「俺たちはイタリア人だ。大歓迎される」と何やらムキになっていた。

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