「市場原理主義を徹底するとコミュニズムに至る」 私有財産に定率の税(富のCOST)を課すと効率的な市場が生まれる 【橘玲の日々刻々】

「市場原理主義を徹底するとコミュニズムに至る」 私有財産に定率の税(富のCOST)を課すと効率的な市場が生まれる 【橘玲の日々刻々】

Photo:makaron* / PIXTA(ピクスタ)

「市場原理主義を徹底するとコミュニズムに至る」などというと、なにを血迷ったことをと思われるだろうが、エリック・A・ポズナーとE・グレン・ワイルは『ラディカル・マーケット 脱・私有財産の世紀』(東洋経済新報社)でそう主張している。それもポズナーは著名な法学者、ワイルは未来を嘱望される経済学者だ。原題は“RADICAL MARKET: Uprooting Capitalism and Democracy for a Just Society(公正な社会のために、資本主義と民主政を根底から覆す)”

 この大胆(ラディカル)な理論を紹介する前に、著者たちのバックグラウンドについて触れておこう。

 エリック・ポズナーは55歳で、シカゴ大学ロースクールの特別功労教授。法や慣習(社会規範)をゲーム理論を用いて分析する「法と経済学」を専門にしている。名前に見覚えがあると思ったら、保守系リバタリアンの法学者で、共和党を支持しながら、ドラッグ合法化や同性婚、中絶の権利を認めるリチャード・ポズナー(連邦巡回区控訴裁判所判事)の息子だった。

 リチャード・ポズナーには、『ベッカー教授、ポズナー判事のブログで学ぶ経済学』(東洋経済新報社)など、経済学者ゲイリー・ベッカーとの多数の共著がある(もともとは2人でブログを書いていた)。ノーベル経済学賞を受賞したベッカーは「20世紀後半でもっとも重要な社会科学者」とされ、ミルトン・フリードマンらとともにシカゴ経済学派(新自由主義経済学)を牽引し、レーガン政権の政策に大きな影響を与えた。

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