世界でもっとも危険で「国家破産」状態の ベネズエラを生んだのは「左派ポピュリズム」 【橘玲の世界投資見聞録】

世界でもっとも危険で「国家破産」状態の ベネズエラを生んだのは「左派ポピュリズム」 【橘玲の世界投資見聞録】

イラスト: siraanamwong / PIXTA(ピクスタ)

新型コロナで海外旅行にまったく行けなくなったので、せめて書評で海外事情を紹介したい。

 2019年に『ダリエン地峡決死行』(産業編集センター)で衝撃のデビューを果たした北澤豊雄氏は、いまでは“絶滅危惧種”となった冒険作家だ。ダリエン地峡はコロンビアとパナマの国境地帯で、アラスカからアルゼンチンまで続くパン・アメリカン・ハイウェイが唯一分断されている「世界で最も過酷な国境」だ。

 なぜ道路がつくれないかというと、「熱帯雨林の湿地帯が建設を困難にしている」というのが公式の理由だが、ゲリラや右派民兵組織が戦闘を繰り返し、マフィアの武器・麻薬の密売ルートになっている危険地帯だからのようだ。

 北澤氏は29歳で南米に渡り、コロンビアでスペイン語を学んだのち、1年かけて南米大陸を回ったり、ガルシア・マルケスなど南米文学の舞台となる先住民族地域を訪れたりした。そんな日々にも飽きてきた頃、世話になっている日本料理店の社長から勧められたのがダリエン地峡を徒歩で横断する“冒険”だった。

 最初の挑戦は国境を越える前にコロンビア軍に拘束され、2度目の挑戦は案内役の都合がつかずにあきらめた。3度目の挑戦でようやく徒歩で国境を越えたが、グループからはぐれて道に迷い、獣から身を守るために木の上で眠る羽目になる。ようやく救出されたものの、こんどはパナマの国境警備隊に拘束されて……という波乱万丈の“冒険”の顛末はぜひ本を読んでいただくとして、今回は第2作『混迷の国ベネズエラ潜入記』(産業編集センター)を取り上げたい。

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