フェイスブックのようなSNSによる 「アテンション・エコノミー」に対抗する方法とは? 【橘玲の日々刻々】

フェイスブックのようなSNSによる 「アテンション・エコノミー」に対抗する方法とは? 【橘玲の日々刻々】

公園でスマホを使う中国人の若者  Photo :Pressmaster / PIXTA(ピクスタ)

「寝そべっているのはいいことだ、寝そべっているのは素晴らしい、寝そべるのは正しい、寝そべっていれば倒れることもない」

 2021年6月、中国でジャン・シンミンという36歳の男性がソファに寝転び、ギターを爪弾きながら歌う動画が削除された 。

 それに先立つ同年4月、大手ポータルサイトの掲示板に「食事は1日2回でいいし、働くのは1年に1〜2カ月でいい」「“寝そべり”はまさに賢者の運動。“寝そべり”だけが万物の尺度だ」とする「“寝そべり”は正義だ」という文章がアップされ、SNSを通じて急速に広がった。彼らは“?平族(寝そべり族)”と呼ばれる。

 世界的に、若者は何もしなくなっているのか。そんな興味で手に取ったのがジェニー・オデルの『何もしない』(早川書房)だ。著者は現代美術のアーティストで、「バードウォッチング、スクリーンショットの収集、おかしな電子商取引の解析など「観察」をともなう作品」を発表しているという(スタンフォード大学の講師でもある)。

 オデルは白人の父とフィリピンからの移民の母のあいだに生まれ、両親は2人ともアップルに勤めている。そのため、アップル本社のあるシリコンバレーのクパチーノ(全米でもっとも平均所得が高く、もっとも地価の高い地域)で生まれ育った(現在はサンフランシスコ郊外のオークランド在住)。

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