アメリカで富裕層の脱税ほう助を行なっていた スイス・プライベートバンカーの告白

アメリカで富裕層の脱税ほう助を行なっていた スイス・プライベートバンカーの告白

アメリカで富裕層の脱税ほう助を行なっていた スイス・プライベートバンカーの告白の画像

アメリカで富裕層の脱税ほう助を行なっていた スイス・プライベートバンカーの告白

事件の舞台となるジュネーブ。レマン湖の大噴水と日光浴をするひとたち       (Photo:?Alt Invest Com)

 ブラッドレー・C・バーケンフェルドの『堕天使バンカー スイス銀行の黒い真実』は、スイスの大手金融機関UBSの元プライベートバンカ−で、スイスのプライベートバンクがアメリカ国内で組織的な脱税幇助を行なっていた事実を米司法省・議会に通報した当事者による回想録だ。原題の『Lucifer’s Banker(ルシファーのバンカー)』は、「悪魔(スイスのプライベートバンク)に仕えた銀行員」という含意だろう。

 国際金融界に激震を走らせたこの事件についてはなんどか書いたことがあるが、今回、当時者の告白が邦訳されたことで、あらためて事件の経緯を整理してみたい。

■バーケンフェルドがスイスのプライベートバンクで働き始めた理由

 1965年2月26日、ボストン郊外の裕福な神経外科医の父と元ファッションモデルの母のもとに、3人兄弟の末弟として生まれたバーケンフェルドは、高校卒業後、空軍の戦闘機パイロットになることを夢見て全米最古の私立軍学校ノーリッジ大学に入学するが、F16のコクピットには背が高すぎる(身長190センチ以上ある)といわれ、インターンとして働いたボストンのステートストリート・バンクに就職する。

 そこで年金基金など機関投資家のための為替取引を行なっていたバーケンフェルドは、上層部とトラブルを起こして解雇の憂き目にあう。それまで海外取引の為替レートはどの顧客にも平等なように1日の平均を採用していたが、新しい上司は懇意の顧客によいレートを使い、それ以外の顧客に悪いレートを押しつけるよう命じたのだ。

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