日本人が戸惑う「ベトナムでは治療費は前払い」

日本人が戸惑う「ベトナムでは治療費は前払い」

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日本人が戸惑う「ベトナムでは治療費は前払い」

ホーチミン市内で最大級の総合病院・チョーライ病院にある診察代の支払い窓口。急患にも対応できるよう24時間、365日開いている【撮影/中安昭人】

日本で15年間の編集者生活を送った後、ベトナムに渡って起業した中安さんによる、ベトナムの緊急医療事情レポートの最終回です。

●関連項目:ベトナムの緊急医療事情【その1】

●関連項目:ベトナムの緊急医療事情【その2】

■ベトナムの病院は治療費の前払いが求められる

 私がベトナムに来て戸惑ったことのひとつは、治療費が前払いであることだ。これは緊急時でも同じである。
 
 ホーチミンシティ滞在中に急病になった知人に付き添って、病院に行ったことがある。急を要する状況であったにもかかわらず、病院側のスタッフは冷静に「最初にお金を払ってください」と言う。
 
 知人は海外旅行保険に入っていて、それを提示したのだが、現金での支払いを求められた。「後で保険会社から還付を受けてください」とにべもない。クレジットカードで支払いをしようとしたが、それも受け付けてもらえない。

 治療前に支払うのは「保証金」であり、実際にかかった治療費が分かった時点で、差額を返金するというシステムだったのだ。治療を始めてから「保証金」の範囲で対応できないことが分かれば、追加でお金を払うことが求められる。
 
 折悪しくその日は日曜日で、銀行は開いていない。すると「どこの銀行に口座をお持ちですか?」と尋ねられ、銀行名を告げると、最寄りのキャッシュディスペンサーの場所を丁寧に教えてくれた。こういう対応に病院側も慣れているのかもしれない。

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