「しーじゃとうっとぅ」は沖縄のヤンキーの絶対の掟であり、桎梏 【橘玲の日々刻々】

「しーじゃとうっとぅ」は沖縄のヤンキーの絶対の掟であり、桎梏 【橘玲の日々刻々】

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さまざまな社会調査で、日本の社会は大卒と非大卒(中卒・高校中退・高卒)の学歴によって分断されていることがわかってきた。だが私たちは(すくなくとも私は)、非大卒の世界をほとんど知ることなく、興味も持たずに生きてきた。

 そんなことを考えて、知念渉氏の『〈ヤンチャな子ら〉のエスノグラフィー ヤンキーの生活世界を描き出す』(青弓社)を手に取った。これは大阪の底辺高校の男子生徒(ヤンチャな子ら)の軌跡を20代前半まで追跡した貴重な記録だ。

[参考記事]
●「日本社会は大卒か非大卒かによって分断されている」という"言ってはいけない事実"

 知念氏が参与観察した高校の生徒たちは、大きく〈ヤンチャ〉〈ギャル〉〈インキャラ〉に分類された。〈インキャラ〉は「陰気なキャラクター」の略語で、〈ヤンチャな子ら〉は(おそらくは〈ギャル〉も)、学校内で自分たちを「〈インキャラ〉ではない者」と位置づけている。

 それは、かつての不良のように、〈ヤンチャな子ら〉が番長グループや暴走族のような集団(共同体)をつくらなくなったからだろう。ヨーロッパの社会学者ジークムント・バウマン(戦前のポーランドに生まれ、ポーランド人民軍兵士としてナチス・ドイツと戦い、ワルシャワ大学で社会学を学んで講師となったものの、反ユダヤ主義の風潮のなかで大学を追放され、数カ国を渡り歩いたのちイギリス・リーズ大学の社会学教授となった)は、これを「液状化する近代」と名づけた(『リキッド・モダニティ 液状化する社会』大月書店)。

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