リベラル化する世界の中で 日本の危機は「男女格差が大きく移民に不寛容」なこと、 世界の危機は「核兵器」と「気候温暖化」への対応 【橘玲の日々刻々】

昨年末に相次いで刊行された話題の翻訳書から、これまで2回にわたってスティーブン・ピンカー『21世紀の啓蒙』(草思社)とユヴァル・ノア・ハラリ『21 Lessons 21世紀の人類のための21の思考』(河出書房新社)を紹介してきた。

[参考記事]
●「世界がどんどん悪くなっている」というのはフェイクニュース。先進国の格差拡大にも関わらず「公正なルール」のもとでの不平等は受け入れられる
●グローバル化とテクノロジー革命によって国境がなくなり「上級国民(適正者)」と「下級国民(不適正者)」に二極化していく

 今回は進化人類学者で、世界的ベストセラーとなった『銃・病原菌・鉄 1万3000年にわたる人類史の謎』 (草思社文庫)で知られるジャレド・ダイヤモンドの新刊『危機と人類』(日本経済新聞出版社)を取り上げたい。原題は“Upheaval: How Nations Cope with Crisis and Change”(大変動 国家はいかに危機と変化に対処するか)。

 最初に断っておくが、正直、この本の評価がいちばん難しい。

「進行中の危機」としてアメリカのほかは日本だけが分析の対象に『危機と人類』の構成は、第1部で「個人的危機」、第2部で「国家的危機」、第3部で「進行中の危機」が取り上げられる。

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