北朝鮮の核ミサイル開発問題 米国人記者も驚く日本の突出ぶり テレビ報道は危機を煽り過ぎ?

文=伊藤友治

米国の武力行使が前提の
推測報道に疑問符

 「日本のテレビ報道を観ていると、米国が今すぐにでも北朝鮮に軍事制裁を加え、周辺国を巻き込んだ戦争に発展しかねない一触即発の情勢にあるかのように伝えているが、行き過ぎた報道とは言えないだろうか?」。米有力紙の海外特派員だった友人の来日を機に夕食を共にした際、ふと彼が口にした感想である。数年前から北東アジア情勢を専門にしているといい、懐疑的な感想の大本について次のように解説した。

 「トランプ政権が本気で軍事力の行使に踏み切ると考えている米国民はほとんどいないと思う。主要なメディアの報道も努めて冷静だ」「東京を訪れる前に、北京とソウルに数日間滞在したが、中韓両国のメディアは危機を煽ることなく、国民も平静だった。ところが、日本の騒ぎぶりは突出している」

 実は、私も同じような疑念を抱いていた。事実をありのままに伝えるというよりも、番組の構成に都合のいい情報を断片的に切り取り、「もしも」「仮に」という推論を積み重ねてゆく報道手法についてである。特に情報ワイドの生番組にその傾向が強い。

 各局の編成表に占める情報生番組の割合が大幅に増え、今やどの時間帯に、どのチャンネルを合わせても、大同小異の番組が目に飛び込んでくる。それぞれの番組が視聴率の獲得競争にしのぎを削るなかで、北朝鮮問題は格好のテーマなのだろう。2月14日に「金正男氏がクアラルンプールで暗殺された」という一報が入るやいなや、北朝鮮を巡る報道合戦に火がついた。

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