NHK さんま生かせず 共倒れ「明石家スポーツ」(NHK総合 5月5日)

文=桧山珠美

 その昔、「明石家さんまのスポーツするぞ! 大放送」(フジテレビ)という番組があった。いまや人妻の色気ムンムンの愛ちゃん(福原愛)がまだまだ幼かった頃、さんまと卓球対決。子ども相手に手加減するどころかムキになる大人気ないさんまが、愛ちゃんを泣かせたことで知られる伝説のスポーツバラエティ番組だ。

 さんまがNHKでスポーツバラエティ特番をやると聞いたとき、真っ先にこの番組が浮かんだ。20年の時を超え、局を超えて、あの番組を復活させるのか、こりゃ楽しみだ、と。ところが蓋を開けてみたらどうだろう。「明石家スポーツ」というなんら工夫のないタイトルが象徴するような凡庸さ。さんまのマシンガントークの残響で耳がキンキンしただけの番組だった。

 猫にマタタビ、さんまにスポーツ。ただでさえお喋りなさんまに、大好物のスポーツを与えればこうなることは予想がつきそうなものだ。であればこそ暴走するさんまを制御するお目付け役が必要なのに、出演者のなかにそんなことができる人を一人も置かなかったのが致命的。本来、その役割を果たすのがアシスタントなわけだが、今回は局アナではなく、フリーの新井恵理那が担当。NHKにはアナウンサーが佃煮にするほどいるのに、なぜわざわざフリーアナを連れてきたのかが疑問だ。

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