失われた街の記録〜ETV特集 「“原爆スラム”と呼ばれた街で」

ギャラクシー賞月間賞:ETV特集
「“原爆スラム”と呼ばれた街で」

6月10日放送
23:00〜24:00
日本放送協会

 戦後、広島市の本川沿いに拡がったバラック街、通称基町相生通り。そこは「原爆スラム」と呼ばれ、一般市民は近づきがたい、犯罪の温床となる危険地帯と見なされていた。映画『仁義なき戦い』では、ヤクザの抗争の舞台としてロケに使われた。

 番組ディレクターは、その街が区画整理される前に広島大学の学生が実施した全戸調査の資料をもとに、かつての住民を訪ね歩く。そして、原爆で焼け出された人だけではなく多様な背景を持った人々が、生きるために必死に働き、そしてコミュニティとしてのつながりもある人間的な温かい街であったことを明らかにしていく。広島大学の全戸調査には、街の一軒一軒の世帯名、時には世帯の間取り図まで記されている。例えば、戦後に秋田県から4歳で移り住んできた男性の家は、廃品回収業を営みスクラップを拾ってくる人たちを多数抱える大きな住宅だった。多くの家のなかはカラーテレビがあり綺麗に整えられていたという。

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