在京キー局報道の弱点 本気度が足りない地域報道の取り組み 今こそ地方局に学ぶべき

報道番組に喝!【NEWS WATCHING】74
文=伊藤友治

故郷に帰還して気づいたこと
感心させられた地元局の地域報道

 福島と東京を行き来しながら暮らしている。生まれ故郷の実家をもう1つの生活拠点に加えたという事情による。故郷は休暇のときに一時帰省して疲れた羽を休める場所――。そのぐらい安直に考えていたのだが、実際に住み、生活者の目線で向き合ってみると、たくさんの驚きや発見があることに気づかされる。地域に根ざすテレビが発信する地域報道の充実ぶりは、そんな事柄の1つである。

 地元の地上波は、NHK福島放送局と福島テレビ(FTV=フジ系列)、福島中央テレビ(FCT=日テレ系列)、福島放送(KFB=テレ朝系列)、テレビユー福島(TUF=TBS系列)の5局ある。各局ともそれぞれに「福島版」の番組や企画コーナーを制作し、放送している。TUFの例を挙げれば、平日の午前9時55分から情報ワイド「げっきん」を編成し、曜日ごとに「出会いと発見」「ほっこりふれあい」「ゆったり気まま」などの特集を組んでいる。また、どの局も午後〜夕方帯にはネット番組とは別のローカル番組を編成し、「福島の、福島による、福島のための」出来事やニュースを、時間と中身たっぷりに放送しているのが特徴だ。

 「ふくしま」は東日本大震災に伴う原発事故の直接的な被災県でもある。NHK福島放送局とFCTは今年「福島to 2021〜あれからと、これからと〜」という放送を共同で始めた。大震災と原発事故の発生10年となる2021年に向け、共同で企画・制作に取り組んだ意欲作でもあり、視聴者の関心を集めている。

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