人間性を剥奪された世界を描く 「ハンドメイズ・テイル」とその後

文=在英ジャーナリスト
小林恭子

米ドラマ「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」を見たことがあるだろうか。

 日本では9月中旬から動画配信サービスのHuluでシーズン3が配信中だが、原案は1985年に出版された、カナダの作家マーガレット・アトウッドのディストピア小説『侍女の物語』(『The Handmaid's Tale』)である。発売直後にベストセラーとなり、カナダ総督文学賞、アーサー・C・クラーク賞などを受賞。邦訳版は新潮社(1990年)、早川書房(2001年)から出ており、映画化(2009年)もされている。

 しかし、三十数年前の小説が新たな注目の的となったのは、2017年4月にHuluがオリジナルドラマとして配信を開始してからだ。筆者が住む英国では、同年5月から主要テレビ局の一つ「チャンネル4」で放送された。放送時間は毎週日曜の午後9時。日本だったら、TBS系「日曜劇場」を見るためにテレビの前に座る時間である。

 シーズン1までは小説のドラマ化だったが、シーズン2以降は制作側のオリジナル。シーズン4の配信も予定されるなか、改めて「ハンドメイズ・テイル」を振り返ってみたい。

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