テレビの災害報道 防災・減災情報の発信は十分か?網目の粗い情報選別に落とし穴

被害発生前の報道や情報発信は
十分だったのか

 各局の報道・情報系番組は熱心に被災地の「いま」を伝え、さまざまな角度から事後検証を試みている。その点は大いに評価していいと思う。だが、被害が起きる前の段階で、防災と減災に資する情報をどれだけ十分に発信できたのだろうか、と改めて問い直してみると、一概に首肯することはできない。

 今回の台風15、19号の接近に際し、気象庁は緊急の記者会見を開いて「生命に関わる危険度の高い災害の発生が迫っている」ことを強調し「自らの命を自らで守る行動を」と最大級の警戒を繰り返し呼びかけた。しかも台風の接近・上陸が予想される70時間以上も前から複数回にわたって警報を発する異例の対応ぶりが際立った。それでも、19号だけでも死者92人、行方不明者3人の人的被害(NHK調べ)が出た。テレビ報道は気象庁の警戒警報をどれだけきちんと伝えることができたのだろうか。そんな疑念が私のなかでくすぶり続けていた。

 それを払拭するヒントの一つを与えてくれたのは11月6日の「おはよう日本」(NHK)だった。

 被災時の情報伝達を巡る問題点を指摘するニュースである。それによると、多摩川の決壊・氾濫で大きな被害の出た東京都世田谷区では、災害発生の前後から区の公式ホームページへのアクセスが殺到した結果、サーバーの容量を超過。情報発信が不能に陥った。このため多くの住民が区長の発する個人的なツイッター情報に頼らざるを得なかった。同じような状況に追い込まれた自治体は数多くあり、今後、ネットを通じての情報発信に大きな課題を残したという内容である。

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