コロナ禍にびくともしないお笑い番組〜有吉の壁「笑いの壁に挑む!激闘2時間SP」

ギャラクシー賞月間賞:有吉の壁
「笑いの壁に挑む!激闘2時間SP」

5月6日放送
19:00〜20:54
日本テレビ放送網

 純粋なお笑い番組を成立させることが難しいと言われている昨今、2015年から十数回にわたる特番を経て、今年4月からゴールデンタイムのレギュラー放送が始まった。その直前には緊急事態宣言が出され、通常の収録ができなくなりながらも、「お笑い」だけにこだわった放送を続けている。

 5月6日の2時間スペシャルで放送されたのは「スピーチの壁を超えろ! 日本カベデミー賞選手権」。芸人たちが映画賞の授賞式にいそうな俳優になりきり、架空の映画に関するインタビューに即興で回答していくというもの。ノミネートされた『ヨゴレを落としただけなのに』の西川景子や『万引き大家族』のみみみりんといった“俳優”たちに司会の有吉弘行が「ミュージカルシーンを再現してください」「激しいアクションシーンがあったそうですけど?」「あの名台詞をお願いします」など、即興でムチャぶりの質問をしていく。受賞すると、スピーチを行うのだが、ここでも有吉が「笑って泣きたいですねえ」などとプレッシャーをかけていく。それに対し、右往左往しながら脳をフル回転して応えていく様が面白い。今、ゴールデンタイムで“本業”である純粋なお笑い力を試される番組は数少ないため、芸人たちも苦しみながらも、楽しそうだ。そんななかでも友近は「ちょっと暴言吐かせていただきます。監督の嘘つき。最後まで演出するって言いましたよね?」と即興で監督が亡くなったという設定を作り上げ、ベテランの貫禄を見せつけた。

 この回の放送以外でも、リモート収録を巧みに利用した「おもしろ自宅公開選手権」など工夫をこらして笑いを届けている。シソンヌ、ジャングルポケット、パンサーといったコント芸人たちに光を当て、番組から生まれたチョコレートプラネットの「TT兄弟」がブレイクしたり、とにかく明るい安村のようにこの番組によって再評価を受けている芸人の存在も「有吉の壁」が成功している証だろう。笑いにこだわる有吉とスタッフたちの志の高さで、コロナ禍でもびくともしないお笑い番組を作り上げている。(戸部田 誠)

★ギャラクシー賞月間賞とは?=NPO放送批評懇談会が、優れた番組を自主的に選び出す制度。月間賞に選ばれた番組は、年間のギャラクシー賞審査に自動的にエントリーされる。

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