家から出なくても楽しむ!オタクのチカラ〜タモリ倶楽部「ストリートビューでオンライン撮り鉄!偶然鉄道フォトコンテスト」

ギャラクシー賞月間賞:タモリ倶楽部
「ストリートビューでオンライン撮り鉄!偶然鉄道フォトコンテスト」

6月26日、7月3日放送
24:20〜24:50
テレビ朝日

 新型コロナが番組作りに多大な影響を与えていることはもはや自明。演者の距離をとる、別のスタジオから参加などが日常の光景となった。ならばいっそ、隣のビルと手旗信号でやりとりしよう、と対策を企画に落とし込んでしまうしたたかさはさすが。そのために手旗どころかモールス信号まで完璧に覚えてくる宮下草薙の宮下にも脱帽。この回の超リモート収録にも恐れ入った(7月24日放送分)。

 ネットのビデオ会議で集合、誰かの画面を共有しながら話すことも「新しい日常」になりつつある。それをそのままいただいて、しかも在宅で鉄道写真を撮影しようという企画もまた、言葉は悪いがコロナを楽しむという災禍へのカウンターパンチだった。グーグルマップのストリートビューに偶然映り込んだ鉄道車両を探し、ベストアングルでスナップを撮る。どの路線ならどこがいいか、車両はどこにいそうか、鉄分の高い面々の熱い討議は、いつもの鉄道クラブよりもむしろ白熱してくる。最初は半信半疑だったタモリも2週にわたる収録の最後にはすっかりハマりきっている。

 あの車両が撮りたい、海と一緒にいる車両はなど、タモリ鉄道クラブの猛者が繰り出すオタクトークは実に楽しく、番組スタッフの想定外の盛り上がりすらみせる。やれひな壇が作れない、街歩きができないなどと言っているバラエティ業界を尻目に、どんな状況でも面白いものは面白いということを教えてくれる。ああテレビとはこういうものだったなと再確認できる。

 番組では「偶然にもグーグル・ストリートビューに写り込んだ鉄道」ということで「偶然鉄道フォトコンテスト」と称しているが、番組内で「偶鉄」と呼んだこともあって、放送直後からSNSで同じことを試みる多くのユーザーが「#グー鉄」というハッシュタグで投稿を開始。これが大きなムーブメントとなった。まさに番組発の社会現象。制作手法の制限などといって縮こまっているのではなく、テレビにはテレビの力があるのだということを見せつけてもくれた。(兼高聖雄)

★ギャラクシー賞月間賞とは?=NPO放送批評懇談会が、優れた番組を自主的に選び出す制度。月間賞に選ばれた番組は、年間のギャラクシー賞審査に自動的にエントリーされる。

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