禁煙と新ルールは“ふとしたとき”に気をつけろ!【記者の目】

禁煙と新ルールは“ふとしたとき”に気をつけろ!【記者の目】

失格となった後、記者たちの質問に答える濱田(撮影:村上航)

以前、バラエティ番組で禁煙をしている芸人たちが集まって、どんな時にたばこを吸いたくなるかを話していたときのこと。「お酒を飲んでいるとき」、「珈琲を飲んでいるとき」、「イライラしたとき」などよく言われるシチュエーションが並ぶ中、ある芸人が「ふとしたときですね。例えば買い物を終えて車に乗った瞬間とか。何気なく火を付けていたときがあぶないですね」と答えていた。筆者は喫煙者ではないのだが、「なるほど」と思ったものである。


その時のことを「ダイキンオーキッドレディス」二日目にふと思い出した。2019年1月1日から施行された新ルールで国内女子ツアー初の失格となった濱田茉優のことである。

失格となった状況を改めて整理すると、濱田は11番ホールでセカンドショットを右に曲げてしまう。球が見つからず、元の場所に戻ろうとしたときにボールが発見された。ところがその時点ですでに捜索時間が3分以上経過しており、紛失球の扱いとしなければならないところ、そのボールをルールにのっとり(規則16.3※)、その球を拾い上げて無罰でドロップ。その後その球をプレーしてしまった。結果、誤った場所(球が見つかった3打目地点)からプレー再開、つまりインプレーとなるドロップをしてプレーを再開したため、誤所からのプレーの重大な違反となった(繰り返しになるが、この時点でその球はすでに紛失球であり、この球自体はプレーとはもはや関係ない球である)。そのことをアテスト時に確認、失格となった。

開幕前に選手に対して新ルールの説明会が設けられたり、一足先に開幕した海外ツアーでは毎週のように問題があがるなど、これだけ話題になっている事柄である。まさか新ルールを知らないなんてことはない。むしろ気をつけすぎているくらいである。現に濱田も「今年から3分以上探してはいけないことは分かっていました」とコメントしており、3分で捜索をやめている。昨年の5分から3分に短縮されたことは分かっていたはずだ。

だが、問題は元の場所に戻ろうとしたときに見つかってしまったことだろう。ボランティアに声をかけられ見つかってしまったことで、頭がパニックになってしまったのではないだろうか。同伴競技者の二人は年上。しかも佐伯三貴は尊敬してやまない選手である。そんな選手たちを待たせてしまっているという罪悪感もあったのではないか。同組のペ・ヒギョン(韓国)も「探していて見つかっちゃったからこそ、慌てて打ってしまったのだと思います」とコメントしている。

初日にはジョン・ジェウン(韓国)が肩からドロップしてしまった(すぐに正規の方法でやり直したため無罰)。こちらはドロップする際、近くに競技委員がいた。そのため何気なくやってしまったのではないだろうか。ルールを間違えることはない、という安心感で無意識的に今まで通り落としてしまったのだろう。

海外に目を向ければ「WGCメキシコ選手権」で肩からドロップ、その球を打って1罰打を科されたリッキー・ファウラー(米国)も、シャンクしてOBをした直後だったことから頭に血が上っていた可能性が高い。

車の運転は“慣れたころが一番危ない”と言われている。理由はこれまで述べたものと全く同じだろう。ルールに気を遣っている今はまだいい。何試合もこなして新ルールに慣れたころに、大きな問題が起きないことを祈るばかりである。(文・秋田義和)

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