川田将雅を下剋上覚醒させた「8つの導火線」(2)レース後の「ひと悶着」で痛感

川田将雅を下剋上覚醒させた「8つの導火線」(2)レース後の「ひと悶着」で痛感

川田将雅を下剋上覚醒させた「8つの導火線」(2)レース後の「ひと悶着」で痛感

 川田は2強の一角だったルメールも駆逐しているが、その関係もまた、微妙そのもの。

 先の皐月賞(4月14日)では最後の直線で、ルメール騎乗のサートゥルナーリアが内に斜行し、川田のヴェロックスに接触。サートゥルナーリアは1着入線したが、審議の対象となった。

「結局、到達順位どおり、ルメールが優勝し、川田は2着。この降着騒ぎに川田はヴェロックスをたたえつつ、今後の逆転への意欲を表すコメントを残しただけだった。しかし、腹の中は煮えたぎっていたと思いますね」(競馬ライター)

 デムーロと同じく、これまた思い出される「事件」もある。17年の凱旋門賞だ。ルメールはサトノダイヤモンドに騎乗。川田はそのラビット役(ペースメーカー)として、サトノノブレスで参戦していた。前哨戦のフォア賞でまずその役目を果たそうとしたが、一度もペースメーカーを務めたことがなかったため、うまくこなすことができない。シビレを切らしたルメールが先頭に出る場面もあった。

 結局、サトノダイヤモンドは4着、サトノノブレスは6着に。競馬サークル関係者が回想する。

「レース後、二人の間でひと悶着あったことは、現地で見ていた記者ならみな知っています。凱旋門賞はその失敗を糧に挑みましたが、両馬とも見せ場なく大敗を喫した(ダイヤモンド=15着、ノブレス=16着)。川田はこの2戦の経験から、騎手はやはり主役を務めなくてはいけない、と痛感したといいます。『俺のほうが上の立場にならなきゃいけない』という強い決意です

 なにしろ凱旋門賞制覇はルメールだけでなく、川田にとっても大きな目標。かつてインタビューで「最も勝ちたいレースは?」と聞かれた際に「凱旋門賞」と答えていたほどだ。

「今年は主戦を務めるキセキが一次登録を済ませ、参戦に意欲的。もし実現すれば、14年のハープスター、17年のサトノノブレスに次いで3度目の挑戦となる。凱旋門賞Vという目標も、リーディングトップを走る原動力になっています 」(競馬ライター)

「上の立場」を確固たるものにするためにも、ルメールに勝ってみせることは必須。そのカギとなるのは、夏の競馬だろう。競馬ライターが続ける。

「主戦場はルメールが北海道で、川田は小倉。直接対決はほとんど見られないでしょうが、互いにどれだけ勝ち鞍を伸ばせるかが、リーディングを取るうえで重要ですね。いや、その前に日本ダービー(5月26日)で2人がどんな結果を出しているかも、大きなポイント。ルメールにとっては3年前にハナ差で負けたことへのリベンジだし、川田にとっては先の皐月賞のリベンジとなりますから」

 ここでもまた、川田がルメールを駆逐することになるのか──。