苦手の芝と若手の躍進…錦織圭を待つウィンブルドンの試練

苦手の芝と若手の躍進…錦織圭を待つウィンブルドンの試練

ウィンブルドンの前哨戦では2回戦敗退(C)共同通信社

テニスは芝のシーズンに入った。とはいえ、芝のサーフェスによる大会はウィンブルドンをメインにした4大会だけだから、シーズンと呼ぶほどではないかもしれない。

 本来、テニスは芝の上で行われるゲームで、正式名はローンテニス。かつては土の上で行われてもローンテニスと呼ばれていた。コートの整備・維持が大変だから、大衆化に沿ってハードコートに移行したわけだが、今なおウィンブルドンは選手憧れの聖地である。

 錦織圭は、グランドスラム4大会の中でこのウィンブルドンでの成績が一番良くない。通算13勝8敗で、ベスト8に届いていない大会はウィンブルドンだけ。

 ちなみに一番成績がいいのはハードコートの全豪オープン(23勝8敗)だ。

■「ボールが下から入ってくる」

 芝の特徴は2つある。まず、慣れないコートのため足元がおぼつかない。さらにカギになるのが、芝特有の打球。芝の葉の上でボールが滑るため、長身選手が思い切りたたき付けるボールを持ち上げるのは容易ではない。やっと返球してもサーバーがネットで待ち構える、サーブ&ボレーの舞台。

 もうひとつ、芝の根が微妙なイレギュラーを演出するだけでなく、大会の進行とともにすり減って変化していく“面白さ”もある。

 それでもイラつかない精神的タフネスが求められるわけだ。

 錦織がこれまでに敗れた相手は、マリン・チリッチ(身長198センチ)、ミロシュ・ラオニッチ(196センチ)、フアン・マルティン・デルポトロ(198センチ)をはじめ、2011年のレイトン・ヒューイット(178センチ)を除けば190センチ台前後の長身選手ばかり。持ち前の精神力やラケット感覚だけでは対処できず、ビッグサーブで攻め立てられて分が悪いようだ。

 気になるのが、半年の戦線離脱を強いられた手首の故障だ。痛みは残るが、テーピングでプレーに支障がないと言う。ただ、全仏オープン後にウィンブルドンの抱負を聞かれ「ボールが(下から)入ってくるので注意しないと……」と不安をのぞかせていた。

 ウィンブルドンは〈不安との戦い〉になる。

 デニス・シャポバロフ、カレン・ハチャノフ、ステファノス・チチパス、フランセス・ティアフォー、テイラー・フリッツ――錦織の故障中に出てきた若者たちは、体はデカイし“天才ケイ”と対戦したくてウズウズしている。今の錦織がどう苦手の芝、若手の挑戦に立ち向かうか。これから先を占う大会になる。

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