東京五輪組織委会長で時の人に…私が知っている「聖子さん」の思い出【岡崎朋美のすべらないい話】

東京五輪組織委会長で時の人に…私が知っている「聖子さん」の思い出【岡崎朋美のすべらないい話】

2019年日本マスターズ選手権に橋本聖子氏と出場した筆者(右)/(提供写真)

【岡崎朋美のすべらないい話】#2

 東京五輪・パラリンピックが終わった9月、組織委員会会長の橋本聖子さん(57)と会う機会があった。聖子さんとは家族ぐるみの付き合い。お子さんのお祝いの席で少し話をした。

「開会式と閉会式のスピーチ、良かったですよ〜。あの文章、本当に自分で考えたんですか?」

「自分でちゃんと構成を考えたよ」

 元選手として心に響く言葉だった。現役選手たちにも響いたのではないかと思う。

 東京五輪はコロナ禍での開催とあって、開幕前から反対の声が大きく報道されていた。テレビをつけると、毎回同じような話題。私は胸が痛くてあえて違う番組を選んで見ていたけど、聖子さんも同じようにチャンネルを替えて、お孫さんと一緒に「クレヨンしんちゃん」や「ちびまる子ちゃん」を見ていたらしい。

 私も聖子さんも、昔から「こうなったらどうしよう」ではなく、「とりあえずやってみよう」というタイプ。今回の五輪は風当たりが強かったかもしれないけど、メンタルは強いほうだ。

 ただ、7年前のフィギュア選手とのスクープはさすがにヘコんでいて、このまま死んじゃうんじゃないかというくらいガリガリになったので心配した。批判されたこともそうだけど、身内から出たことの方がショックだったんじゃないか。私もショックだったし、残念な気持ちになった。あの写真がスケート連盟主催の打ち上げパーティーだったから、真っ先に「誰が撮った写真?」と探った記憶がある。

 聖子さんと行動を共にしていると、避けて通れないのがSPの存在。大臣をしていたときはずっとSPの方もついてくるから、プライベートがなくて大変だと思う。2019年、一緒に山形のマスターズ選手権に出たときもSPがホテルにも同行。聖子さんと一緒にふらっと買い物にも行けないし、部屋で飲もうとお酒を買いに出ても、横で「そんなに飲むのか」と思われそうだし、こっちが気を使う。

 常に緊張感をまとったイメージのあるSPさんだけど、中にはユーモアのある人も。過去に私のファンだというSPに会ったことがある。ワンボックスカーのトランクに聖子さんの荷物を運んだ後、私の荷物も置いてくれたのをいいことに、「じゃあ、岡崎さんもここへ!」。一瞬固まったが、小さい頃、好きな子に意地悪する男の子みたい、と少しほっこりしたのを思い出す。

■寝起きの悪い息子さんに…

 大臣時代は忙しくて睡眠時間も満足にとれていないだろうと、聖子さんに「ちゃんと寝てますか?」と聞くと、「短時間で深い眠りに入れるから大丈夫」と。その遺伝なのか、一番下の息子さんは眠りが深すぎて朝、全然起きないらしい。上に乗っても体をゆすってもビクともしない。学校に遅刻しちゃうと、最終的にどうやって起こしたのかって、保冷剤を背中に入れたら跳び起きたそうだ。おちゃめで豪快な聖子さんらしい。

(岡崎朋美/長野五輪メダリスト)

▽おかざき・ともみ 1971年、北海道清里町出身。94年リレハンメルから98年長野、2002年ソルトレークシティー、06年トリノ、10年バンクーバーと日本女子最多の冬季五輪5大会出場。長野で日本女子短距離選手初のメダル(銅)を獲得した。07年に結婚、10年12月に女児を出産。14年ソチ五輪代表入りを逃し、現役引退。20年マスターズ国際スプリントゲームズで世界新記録を更新して金メダル獲得。現在は全国各地で講演会を行う。聖徳大学客員教授。日本学生陸上競技連合理事

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