“競合”王者相次ぎ柔道世界選手権欠場も…日本代表が喜べない理由

“競合”王者相次ぎ柔道世界選手権欠場も…日本代表が喜べない理由

絶対王者リネールの視線の先は…(C)共同通信社

2020年東京五輪に向け、早くも駆け引きが始まった。

 柔道の世界選手権(25日開幕=日本武道館)で、海外有力選手の欠場が相次いでいるのだ。

 国際柔道連盟(IJF)は昨6日、世界選手権の出場予定選手を発表。男子100キロ超級で五輪連覇中のテディ・リネール(30=仏)、同73キロ級で前回王者の安昌林(25=韓国)らがエントリーを見送った。

 リネールは長年、左肩に不安を抱え、安は首を痛めていたため、ともに今回は大事を取って出場を見送った。

 表向きは体調管理を優先したための措置だが、額面通りには受け取れない。

 日本とは違い、海外勢の多くは五輪開催前年の世界選手権を重視していないからだ。

 そもそも、五輪の代表選考法が異なっており、日本は今回の世界選手権と11月のグランドスラム大阪大会で優勝し、強化委員会で3分の2以上の賛成を得れば内定。一方、海外の多くはIJFが定める世界ランキングを基に各階級の上位が代表に選ばれるのが一般的だ。来年5月25日時点の世界ランクが選考基準となるため、海外の有力選手の多くは五輪への調整を兼ねて、ランキング対象となる国際大会(グランドスラム)に出場する。日本のように早々と代表内定を出すのではなく、実戦を通じて調整を図るのだ。

 リネールや安も世界選手権を回避して、東京五輪に照準を絞ったのだろう。

 そもそもリネールはリオ五輪前も出場の意向をギリギリまで明らかにしなかった“前科”がある。五輪開幕を半年後に控えた2月に左肩を手術。リネール陣営は「五輪に間に合うかは神のみぞ知る」と、出場辞退をほのめかし、調整不足もささやかれたが、リオでは連覇を達成した。

 日本の100キロ超級は、リオ五輪銀の原沢久喜(27)、73キロ級は同金の大野将平(27)が、それぞれ代表入りが有力視される。いずれもメダル獲得を期待される階級だ。

 全柔連のトップも兼務するJOC(日本オリンピック委員会)の山下泰裕会長は「金30個は十分に可能。上方修正してもいいのではないか」と話している。

 日本のお家芸が惨敗しないためにも、ライバルの動向を用心するに越したことはない。

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